Mac 向けの有料オンラインストレージ サービスを比較してみました。筆者がアップルの .Mac を購入しようか迷っていたところ株式会社ねこじゃらしが運営する MacServer を知り、「.Mac よりも使えるサービスなのか?」という疑問からうまれた企画です。
比較するにあたってオンラインストレージ サービスに望む機能/条件は以下のようなものです。
条件の詳細は次章で解説します。
先に挙げた条件を .Mac, MacServer 別に見ていきます。比較の結果(勝敗)は筆者の独断と偏見によるものです。
Mac との親和性とは Finder からアクセス可能かということです。オンラインストレージをマウントでき、Finder の表示オプションをサポートしていればベストです。
.Mac は iDisk へアクセスすれば Finder からアクセスできます。Finder の iDisk メニューはデフォルトで提供されています。ファイルやフォルダに付けたラベルや位置も記憶してくれます。
MacServer は AFP を使ってマウントされて Finder からアクセスできます。こちらもラベルをはじめとする Finder の表示オプションをサポートしています。
引き分け。
オンラインストレージのメリットは異なるパソコン間でファイルの受け渡しができるということです。個人であっても会社と自宅でファイルを共有したい時もあるので Mac 以外の OS からアクセスできることも重要です。
ブラウザから iDisk へのアクセスが可能です。また、iDisk は WebDAV で動いているので WebDAV クライアントが使えれば Mac 以外の OS でもストレージ領域をマウントすることが可能です。実際に Linux の GNOME というデスクトップ環境からマウントしてファイルの読み書きを確認したので間違いありません。
ブラウザからアクセスできます。net2ftp というソフトウェアが使われているようです。FTP ソフトを使ってアクセスすることも可能です。
引き分け。WebDAV と FTP の比較は利用者からすればあまり意味は無いので引き分けとした。
昨今、音楽や写真、動画といったサイズの大きなファイルのためには GB の領域をサポートして欲しいです。
1GB〜2GB。ファミリーパックを導入すれば最大4GBまで。
2GB〜50GBのStandardと、10GB〜200GBのProがある。
MacServer の勝利。お金さえ払えば満足のいく保存容量が手に入る点で MacServer の勝ち。
オンラインストレージはファイルの受け渡し目的以外にもバックアップ領域として使いたいものです。バックアップ領域としてどれだ手軽に使えるかがキモになります。
.Mac の正規メンバーには Backup というソフトウェアが提供され、このソフトウェアを使えば毎日のバックアップも簡単におこなえる。
バックアップ領域としての使用は問題ないが、自前でバックアップのソフトウェアを用意するか、手動でファイルの保存を行う必要がある。
.Macの勝利。.Mac メンバーに提供される Backup は非常に便利。バックアップ ファイルも差分で保存してくれるので無駄に保存領域を消費しません。
友人や取引先とのファイル共有を手軽に実現してくれるか?
iDisk の Public というフォルダにファイルを保存すれば他のメンバーが Public フォルダに保存されたファイルへアクセスできます。iDisk Utility for Windows XP を使えば Windows でネットワークドライブとして利用できます。Public フォルダにはブラウザから接続することも可能です。Public フォルダは読み出し/書き込み権限の設定が可能。
ファミリーパックを使えばサブアカウントを4つまで持つことができ、サブアカウント毎に iDisk が使えます。
ホームページ公開機能を使うか、サブアカウントを設定する必要がある。サブアカウントとは特定のフォルダにのみアクセスできるアカウントのことです。サブアカウントの発行数に制限は無いがサブアカウントへ割り当てる保存領域に制限がある。
.Mac の勝利。ファイル共有の手軽さから、Public フォルダに保存するだけでファイル共有ができる .Mac のほうが良い。ただ、仕事で利用するなら MacServer のサブアカウントをいくつでも発行できるのは便利だと思う。
オンラインストレージを契約するならいっそのことウェブサイトも運用できたらいいなと思っただけです。
ホームページ公開機能はあるが、自分で作った CGI は使用不可能。iWeb で作ったホームページを .Mac 領域に保存することで手軽にホームページを公開できる。
ホームページ公開機能あり。CGI, PHP, SSI をサポートしている。Proサービスでは MySQL も使える。また、て独自ドメインでの運用をサポートするオプションサービスもある。
MacServer の勝利。本格的なサイトを運用するためには動的なサイトを構築できて独自ドメインでの運用をサポートする MacServer が良い。
初回の契約に掛かる費用を抑えたい。料金計算のために契約の条件を揃える必要があった。MacServer ではストレージ容量が最低 2GB からなので .Mac も 2GB 契約することと、.Mac は契約期間が1年と限定されているので MacServer も360日のプランで計算する。
.Mac メンバーシップ契約に9,800円と、 1GB の容量アップグレード6,000円を契約すると、初期投資金額は 15,800円。
初期費用 1,980円と、360日の利用料19,800円で、初期投資は 21,780円。
.Mac の勝利。単純に合計金額の安さで .Mac の勝ち。
純粋なオンラインストレージ機能以外に提供されているサービス。
メール、グループ、iSync、iCards。個人の Mac ユーザ向けに豊富なサービスがある。
メール。オンラインストレージという機能に特化している。
引き分け。.Mac は非常に充実したサービスを提供しているが使わないサービスもあるだろうからシンプルな MacServer でも問題ない。
レビュー結果を表にしてみました。条件の詳細は前章のレビューを参照してください。
| 条件 | .Mac | MacServer | 勝敗 |
|---|---|---|---|
| Mac との親和性 | 良好 | 良好 | 引き分け |
| Mac 以外の OS からの接続 | 良好 | 良好 | 引き分け |
| 保存容量 | 1GBから4GB | 2GBから200GB | MacServer |
| バックアップサーバーとしての手軽さ | Backup アプリケーションが良い | 普通 | .Mac |
| 第三者とのファイル共有 | Public フォルダに保存するだけ | ホームページを利用するかサブアカウントを発行する | .Mac |
| ウェブサイトの運用 | 可能。CGI の利用不可能。 | 可能。CGI をサポート。独自ドメイン運用も可能。 | MacServer |
| 初回に支払う料金 | 15,800円 | 21,780円 | .Mac |
| オプションサービス | 充実 | ストレージサービスに特化 | 引き分け |
正直言って甲乙つけられませんでした。筆者は両方のサービスを契約しようと思ったのですがやはり費用面から一方を選ばなければならず、.Mac を選びました。決めてはバックアップ領域としての用途を支える Backup ソフトウェアが提供されていることです。.Mac は完全に個人ユーザをターゲットにしていることもあり、SOHO や中小企業ですと MacServer が良いと思います。
条件に入れなかった項目として接続速度があります。これは筆者の回線環境(ADSL)では比較できるほどの質ではないこともあってあえて評価項目に含めませんでした。ただ、MacServer は宣伝文句に「速い」という言葉を加えています。速さはそれほど感じなかったのですが安定感はあったと思います。