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完全に消去するとはどういうことか?

パソコンのデータを削除しようとファイルを「ゴミ箱」に入れるだけではデータは消えません。また「ゴミ箱」を空にした後でも削除したファイルは特殊なデータ修復ソフトウェアを使用して修復することができます。データを完全に消去するとは ファイルやフォルダを修復不可能な状態にする ことを指します。

修復不可能な状態とは、シュレッダーで裁断された紙と同じ状態です。シュレッダーにかかった紙片を分散して処分すれば修復の可能性は皆無となります。コンピューターのデータは分散して廃棄するのは難しいのですが、シュレッダーで細切れになった紙片をさらにシュレッダーにかけるような感じで データを意味不明な状態にする のです。


どういうときに完全に消去するのか?

  • 絶対に見られては困るファイルを破棄するとき
  • パソコンの所有者が変わるときにハードディスクをはじめとする記憶装置のデータを完全に消去するとき
  • ディスクを廃棄するとき。万が一盗難に遭うことを想定してデータを消去しておく
  • コンピューターを処分するとき

Linux でハードディスクのデータを消去する

GNU Coreutils に含まれる shred コマンド を使う。

データを復元不能な状態にするにはかなりの時間を要する。 ハードディスク (例えば: /dev/hda) の内容を 極めて復元不能な状態にする には次のように実行すれば良い。

# shred -vfz -n 100 /dev/hda

ファイル単位の削除

shred コマンドは引数にファイル名を渡して実行すればファイルの内容を意味不明な状態にしてくれるが、ファイル名が残ってしまう。ファイル名を残さずに破棄するには -u, --remove オプションを付けて実行する。

$ shred -u foo.txt

Mac でファイルを完全に消去する

確実にゴミ箱を空にする

ゴミ箱に溜まったファイルを安全に消去するには「Finder」>「確実にゴミ箱を空にする」と選択します。この方法で削除したファイルは意味のないデータで完全に上書きされます。ファイルのサイズによっては処理に時間がかかります。

ゴミ箱を空にできない場合は

アップルのサイトにサポート情報があるのでそちらをご覧ください。 ゴミ箱を空にできない、またはファイルをゴミ箱に移動できない

アプリケーションを使ってファイルを安全に消去する

ひとつのファイルを安全に消去するにはゴミ箱を使った消去は面倒です。選択したファイルをショートカットメニュー(コンテキストメニュー)から安全に削除するために Permanent Eraser というアプリケーションがあります。

ダウンロードしてマウントしたディスクイメージに Parmanent Eraser というワークフローの書類があるので、これを Library/Workflows/Applications/Finder/ フォルダにコピーします。該当フォルダがない場合は自分で作成します。(Permanent Eraser アプリケーションもインストールしておきます。)

ショートカットメニューの「Automator」に「Permanent Eraser」というメニューが表示されます。消去したいファイルやフォルダを選択してショートカットメニューから Permanent Eraser のワークフローをクリックすると選択したファイルまたはフォルダだけを削除できます。Permanent Eraser アプリケーションを起動した場合にはゴミ箱の中身を安全に消去できます。Permanent Eraser はグートマン方式で削除を行うので消去時間もそれなりにかかります。 また、Permanente Eraser を Dock に置いておけばドラッグ&ドロップすることで該当のファイルを消去することも可能です。

srm コマンド

srm は安全にファイルを消去するコマンド。コマンドライン アプリケーションなのでターミナルから使用できる。 rm コマンドの兄弟なので rm と同じ -d,-i,-r オプションが使える。 srm 特有のオプションは以下のとおり。詳細は man ページも参照すること。

  • -s, --simple : 対象のファイルをランダムなデータで上書きしてから消去する。
  • -m, --medium : 対象のファイルを US DoD(アメリカ国防総省)規格に準拠した方式で7回上書きしてから消去する。(0xF6, 0x00, 0xFF, random, 0x00, 0xFF, random の順で上書きする)。
  • -z, --zero : 上書き後にファイルのブロックサイズをゼロにする。
  • -n, --nounlink : ファイルを上書きするが、移動、削除は行わない。

-s オプションは -m オプションに優先する。 どちらのオプションも指定しなかった場合は、(simple, medium に対し)最高が指定されたとみなし、Gutmannアルゴリズムによって35回上書きしてから消去する。 -s, -m オプションなしで多数のファイルやディレクトリを消そうとすると時間がかかるので注意。2MB のデータの消去時間を time で計測してみた。

オプションなし
$ time srm testdata

real    0m8.426s
user    0m0.021s
sys     0m0.813s

-s オプション付き
$ time srm -s testdata

real    0m0.321s
user    0m0.002s
sys     0m0.046s

20倍を超える時間差。本当に安全な消去には時間がかかります。


CD や DVD のデータを復元不能にする方法

破棄するメディアが少量なら、3つ目のガムテープとカッターナイフを使った方法をおすすめします。カッターナイフだけで記録面に傷をつけたり、大きなハサミで裁断するよりも、はるかに効率が良いです。

捨てたいCDやDVDが大量にある場合には、やはり専用のシュレッダーが必要です。機械に放り込むだけで自動でやってくれますから、手が痛くなったりしません。

参考文献


最終更新日: 2014年05月10日(土) / カテゴリー: セキュリティ