ファイルのコピー

cp (copy)

cp file1 file2 というコマンドは file1file2 にコピーします。

これからファイルシステムのアクセス可能な領域に保存されているファイルを unixstuff ディレクトリにコピーしてみます。

まず、cd コマンドで unixstuff ディレクトリに移動します。

% cd ~/unixstuff

そして次のコマンドを入力します。

% cp /vol/examples/tutorial/science.txt .

Note

コマンドの最後の文字にあるドット(.)を忘れないようにしてください。UNIX ではドットがカレントディレクトリを意味します。

上のコマンドは science.txt ファイルを現在のディレクトリに同じ名前でコピーします。

Note

/vol/examples/tutorial/ ディレクトリは学校内だと誰もがアクセス可能なエリアになっています。学外にいる場合は science.txt をダウンロードしてあなたの unixstuff ディレクトリに保存してください。

練習 2a

science.txt ファイルを science.bak という名前でコピーしてバックアップしてください。

ファイルの移動

mv (move)

mv file1 file2file1file2 に移動または名前を変更します。

mv コマンドを使えばファイルをある場所から別の場所に移動できます。 これはファイルをコピーするのではなく、ファイルの場所を移動させるので、ファイルがふたつ作成されることはありません。

同じディレクトリにファイルを移動して別の名前を与えることで、ファイルの名前を変更するために使用することができます。

science.bak ファイルをバックアップディレクトリに移動してみましょう。

unixstuff ディレクトリに移動してから次のコマンドを入力してください。

% mv science.bak backups/.

lsls backups コマンドでディレクトリの内容を確認してみましょう。

ファイルとディレクトリの削除

rm (remove), rmdir (remove directory)

ファイルを削除するには rm コマンドを使います。 science.txt ファイルのコピーを作成してから、それを削除してみます。

unixstuff ディレクトリで次のコマンドを入力してください。

% cp science.txt tempfile.txt
% ls
% rm tempfile.txt
% ls

ディレクトリの削除には rmdir コマンドを使います。ディレクトリは空でなくてはいけません。 backups ディレクトリを削除してみましょう。ディレクトリは空ではありませんから削除することができないでしょう。

練習 2b

mkdir コマンドで tempstuff という名前のディレクトリを作成して rmdir コマンドで削除しましょう。

ファイルの内容を表示

clear (clear screen)

次の作業にかかるまえに、これまで実行したコマンドの結果をターミナル ウィンドウから消去しよう。そのためには次のコマンドを入力します。

% clear

画面の内容が消去されて先頭の行には % プロンプトだけが表示されます。

cat (concatenate)

cat コマンドはファイルの内容を表示するために使用します。次のコマンドを入力してください。

% cat science.txt

ウィンドウの幅よりも長い内容が表示されるはずです。見えなくなっている箇所はスクロールして見ることができます。

less

less コマンドはファイルの内容を1ページごとに表示します。

% less science.txt

スペースキーを押すと次のページを表示し、 q を押すとコマンドが終了します。中身の多いファイルには cat よりも便利に使えます。

tail

tail コマンドはファイルの最後の10行を表示します。 clear してから次のコマンドを入力してください。

% tail science.txt

ラスト15行を見るにはどうしたら良いでしょうか?

ファイルの内容を検索

less を使ったシンプルな検索

less を使えばテキストファイルからキーワード(パターン)を検索することができます。例として science.txt から science という語を探してみます。

% less science.txt

less でファイルを開いたらスラッシュ(/)を入力して、続けて science と入力してみましょう。

/science

less は見つけたキーワードを強調表示するはずです。 n を入力するとキーワードの次の出現箇所を検索します。

grep (なんで grep と呼ぶのかは聞かないで!)

grep コマンドはスタンダードな UNIX コマンドのひとつです。 特定の単語またはパターンをファイルの中から検索します。画面を clear して次のコマンドを入力してください。

% grep science science.txt

grepscience を含むすべての行を表示するはずです。

次のコマンドを入力してください。

% grep Science science.txt

先程のコマンドのとの違いはどうですか? grep は大文字と小文字を区別するので Science と science を異なる単語として処理します。

大文字と小文字を区別しないようにするには -i オプションを使います。

% grep -i science science.txt

フレーズやパターンを検索する場合は、シングルクォートで囲います。例として spinning top というフレーズを検索します。

% grep -i 'spinning top' science.txt

その他いくつかのオプションを紹介します。

  • -v 検索にマッチしない行を表示。
  • -n 行番号を表示。
  • -c マッチした行の総数だけを表示。

オプションを試して結果の違いを確認しましょう。また、一度に複数のオプションを使用することができます。 例として science または Science を含まない行の総数を検索してみます。

% grep -ivc science science.txt

wc (word count)

便利なユーティリティのひとつに wc コマンドがあります。 wc とは word count の略称です。 science.txt ファイルの単語数を見てみましょう。

% wc -w science.txt

行数を数えさせるには次のコマンドを入力してください。

% wc -l science.txt

まとめ

コマンド 解説
cp file1 file2 file1 を file2 という名前でコピーする
mv file1 file2 file1 を file2 に移動または名前変更する
rm file file を削除する
rmdir directory directory を削除する
cat file file の内容を表示する
less file file の内容を1ページごとに表示する
head file file の先頭から数行を表示する
tail file file の最後から数行を表示する
grep 'keyword' file file から keyword を探す
wc file file の行数/単語数/文字数を数える


この文書は UNIX Tutorial for Beginners から派生した文書です。 Creative Commons License の下で利用できます。

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最終更新日: 2011年02月24日(木)


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