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アリバイ崩し承ります

『アリバイ崩し承ります』 というドラマ全7話を観ました。

このドラマを選んだのは Amazon prime video のおすすめ作品に出てきて、レビューが5つ星のうち3.9と高かったのと、原作が 『2019本格ミステリ・ベスト10』 第1位の作品だったことも推理小説好きの私は興味を持ちました。

作品のあらすじ

時計店の女性店主・美谷時乃(みたに ときの)が主人公の物語です。 時乃は若干20歳ですが亡くなった祖父から叩き込まれた「アリバイ崩し」を得意とします。 そんな時乃が警察の察時美幸(さじ よしゆき)からアリバイ崩しを依頼されて事件を解決していくという物語です。全7話あります。

キャッチコピーは「クスッと笑える本格謎解きミステリー!」。 本当に本格ミステリードラマで、物語の前半が問題編、後半がアリバイ崩しとなる解答編になっており、視聴者が推理を楽しめる構成になっています。

各話で起こる事件を簡単に紹介します。各話で事件は完結します。

第1話「死者のアリバイ」
男が車にはねられる。はねられた男は「マンションで人を殺した」と言い残し意識不明となる。男の証言どおりマンションで遺体が発見されるが、人を殺したという男には遺体が発見されたマンションを往来する時間はなくアリバイがあり犯行は不可能に思われた。
第2話「ストーカーのアリバイ」
包丁で胸を刺された女性の遺体が発見される。 殺された女性は、医科大学の女性教授で元夫が犯人に違いないと思われた。しかし、元夫には友人と飲食店にいたというアリバイがあった。
第3話「美人姉妹のアリバイ」
ピアノ講師が殺された。夢遊病に悩まされているというピアノ講師の妹は、自分のパジャマに血がついていたことから、姉を殺したかもしれないと告白する。妹には姉を殺す動機もなかったが、犯行時刻には家で眠っていたためアリバイも無かった。今回はアリバイ崩しではなく、アリバイ探しによって妹の無実を証明し、真犯人を明らかにする。
第4話「山荘のアリバイ」
ペンションの時計台で殺人事件が起きる。被害者の死亡推定時刻にアリバイがなかった人物は、ペンション宿泊者のなかでは中学生ただ1人。被害者が時計台に入った目撃情報と雪上の足跡からのアリバイ崩し。
第5話「ダウンロードのアリバイ」
身元不明の白骨化した遺体が、ある一軒家の庭から発見される。その一軒家は3ヶ月前に殺人事件が起こっており、犯人として白骨遺体の息子が疑われた。しかし息子には3ヶ月前の事件当日には、配信日時が限定されている音楽のダウンロードを実行したアリバイがあった。
第6話「最終章…凶器のアリバイ」
郵便ポストから拳銃が見つかった。後日、その拳銃で殺されたとされる被害者が見つかった。被害者は製薬会社に勤める男。嫌疑がかかったのは同じ会社の上司。遺体は右大腿部と頭部が撃ち抜かれている。被疑者には、凶器の拳銃が見つかった時間と死亡推定時刻とされる時間に会食していたアリバイがあった。
第7話 最終回「多すぎる証人のアリバイ」
河川敷で焼死体が発見される。遺体は、とある政治家の秘書で、犯人として疑われたのはその政治家。しかし被疑者には事件当時パーティーに出席していたアリバイがあり、しかもパーティーの出席者は300名にものぼる。パーティの出席者のなかで政治家の後援会に入っていない疑わしい人物を特定したものの、捜査で家を訪れると死亡しているのが発見された。300名の証人がいたなかで、政治家が本当に秘書を殺すことができたのだろうか?

各話はおよそ40分です。

感想

全7話を通しての感想は、すべての話でアリバイ崩しが題材になっているので謎解きを楽しみやすかったことです。

犯人だと思われる人物はほぼ確定しているので、死亡推定時刻と犯行に及んだ時間のズレを解消してやれば良いのです。

アリバイ工作は現実的でまじめな内容で、すべての話で殺人事件が起こり、探偵役が推理でしっかり活躍するのも正統なミステリー作品だと思います。

登場人物については、その関係性にコミカルで笑いを誘うものがあり、殺人事件の緊張感に対しての弛緩剤となっています。

コメディ要素のあるドラマの場合、強制的に笑いをねじ込んでくる演出も見られますが、このドラマは推理部分は真面目に話が進むのでアリバイ崩しにのめり込むことができて好感が持てます。

『臨床犯罪学者 火村英生の推理』 のように本格ミステリと有名俳優の起用がうまく融合した完成度が高い作品だと思います。

おわりに

原作がすばらしいのはもちろん、ベテラン俳優と若手女優を活かした脚本が良かったんじゃないでしょうか。

このドラマは夜11時から放映される深夜帯の番組でした。

ゴールデンタイムと呼ばれる時間帯に放映される番組は有名な俳優がたくさん出てきますが、深夜番組はこれから売り出したい俳優や名脇役と呼ばれる少しマイナーな俳優で公の露出が多くない人たちが登場するので、役者個人の人物像とドラマの人物像のギャップを感じず、作中の登場人物(=演技)を受け入れやすいのかもしれません。

私は全話2回観ました。

ドラマは 制作元のテレビ朝日の動画サービス をはじめ、U-NEXTなどいくつかの動画配信サービスで視聴できます。

ミステリー好きの人はぜひ観てください。

アリバイ崩し承ります (2020)
満足度(最大星5つ)

本作以外のミステリー小説や映画・ドラマ作品の感想文も書いています。 「推理小説・映画」の一覧ページ からご覧ください。

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最終更新日: 2022年01月22日(土) / カテゴリー: 推理小説・映画