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文庫本 リバースの表紙

湊かなえ氏のミステリー小説『 リバース 』を読みました。

この本を選んだのは、以前同著者の『 告白 』を読んだときすごく興奮した作品だったので別の作品も読んで見ようかと思って本屋で手に取りました。

作品のあらすじ

この本は、深瀬和久(ふかせかずひさ)というサラリーマンが主人公の物語です。

深瀬は近所のコーヒーショップで越智美穂子(おちみほこ)と出会い付き合います。深瀬の彼女になった美穂子に、ある日「深瀬和久は人殺しだ」という告発文が届きます。 告発の内容を問い詰められた深瀬は美穂子に人殺しにつながったかもしれない大学時代の出来事を告白します。

3年前。深瀬は、大学のゼミの友人らと夏休みに高原に遊びに行くことになりました。ゼミ仲間の叔父が所有する別荘へ2泊3日での小旅行です。

高原へ行く当日、メンバーの一人である別荘を貸してくれた村井(むらい)が遅れて行くことになり、村井を除くメンバーが先に車で別荘へ向かいます。

村井を除くメンバーは別荘でバーベキューなどを楽しんだあと、遅れてくる村井を駅まで車で迎えに行くことになりました。 山中なのでタクシーを呼ぶよりも車で行くほうが早く、村井も早く迎えが来るのを望んでいます。 皆お酒が入っているので車の運転を嫌がるのですが、そんななか広沢(ひろさわ)が運転主役を引き受けます。

村井が待っている駅まで車で20分ほどのところが、1時間待っても誰も来ないと別荘で待っているメンバーに村井から連絡があります。 別荘に残っているメンバーは広沢に事故でも起きたのかと思い自転車で様子を見に行ってみると、崖に沿ったカーブのところで車がガードレールを突き破って谷底へ転落した跡を発見します。

そして谷底で発見された、炎上した車の中にあった遺体が広沢だと判明します。

広沢の死が事故だったのか事件だったのか。「深瀬和久は人殺しだ」という告発をきっかけに、深瀬の告白から真相が明らかになります。

感想

こんなにも感想文を書くことができない小説があっただろうか。

感想を述べようと印象に残っていることすべてがネタバレにつながってしまいそうなのです。

この作品は人間模様を推理の題材としていますが、登場人物のキャラクターや心情に共感したあらゆる場面が吹っ飛んでしまったほど、 結末の驚きが強すぎて「とにかく読んでみて」と推薦の言葉を並べることしかできないというのが感想です。

少しだけ詳しく書くと、わたしがこの本を読んで、いちばん記憶に残ったところは、物語の最後の最後に広沢の死の真相が明らかになる展開です。

話の後半で深瀬に告発文を送った人物が明らかになり、広沢の死についても一件落着したかと思いきや、終章で意外な展開になります。 この意外性が明日私達にも起こるかもしれないと感じさせるリアルな出来事なのです。

とにかくこんな出来事は起こらないで欲しいです。(「こんな出来事」についてはネタバレなので読んでのお楽しみに。)

おわりに

湊かなえさんのデビュー作である『告白』 と同じくイヤミス(※)屈指の作品です。 『告白』は「イヤミス」として名高く、本作『リバース』も期待を裏切らないイヤミスに仕上がっています。

(※)「イヤミス」とは読後の後味が悪く嫌な気分になるミステリーのことです。

文庫本の「解説」にはネタバレが含まれているので、本屋で読んでしまわないように気をつけてください。

映像化作品でドラマになっているので、映像で楽しみたい人は以下の動画配信サービスをチェックしてください。

リバース (ISBN: 9784062935869)
満足度(最大星5つ)

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最終更新日: 2021年04月06日(火) / カテゴリー: 推理小説・映画