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文庫本 クリスマスのフロスト

R・D・ウィングフィールド/著の警察小説『 クリスマスのフロスト 』を読みました。

この本を選んだのは、読者が選んだおすすめ推理小説ランキング で10人中3人の人がおすすめする作品にランクインしていたからです。

作品のあらすじ

この本は、フロスト警部が主人公の物語です。

ある日、8歳の娘が日曜学校に行ったきり家に帰ってこないと母親から通報があり捜査が始まります。 フロストはクライヴという若手の巡査をパートナーとして捜査を担当します。 少女の失踪は誘拐ではないかと、母親、教会区の司祭、霊媒師や英語教員、浮浪者まで様々な人物が疑われます。

またこの失踪事件を調べる途中にフロストは、銀行の玄関を開けようとする人物を特定したり、白骨化した遺体を掘り当てて過去の事件を究明したり、いくつもの事件を解決します。

感想

私がこの小説を読み終えて最も印象に残ったのは、フロストの人物像です。

薄汚れたレインコート。プレスのかかっていないよれよれのズボン。見るからにだらしのない格好の40代後半の男性。

書類仕事は苦手で締め切りを守らない。ワーカーホリックで部下を深夜までを連れ回す。

行く先々で事件に遭遇。口汚く見た目も清潔とは言えず、へまはする。

だけど、犯人を捕まえる。嫌な奴だけど事件だけはしっかり解決するので憎めない。

警察組織の堅苦しいイメージとは対照的に豪快で大胆なフロストの姿は喜劇のようでとても魅力的でした。

事件のほうは凝ったトリックや感動の筋書きは無く、本格ミステリとは呼べません。フロスト警部の地道な捜査と直感を手がかりに犯人にたどり着く簡単なストーリーです。

主要な少女失踪事件以外の枝葉の事件解決もフロストの個性を演出して読者を飽きさせない展開でおもしろかったです。

そのせいでページ数が500ページを超える長編になったと思われます。

とにかく楽しい1冊でした。

おわりに

本作は ジャック・フロスト警部シリーズ の第1作目にあたり、全部で9作品出版されています。

本格ミステリという視点からは外れた作品なので、他の作品も読むかと言えば私は読みません。

エンターテイメントの警察小説としては一級品で、フロストのキャラクターに惚れているのは確かです。なので暇があれば続編は読んでみたいと思います。

イギリスでは本作を原作とした 『A Touch of Frost』と題するTVシリーズ が大人気だったようです。

クリスマスのフロスト (創元推理文庫) (ISBN: 978-4488291013)
満足度(最大星5つ)

本作以外のミステリー小説や映画・ドラマ作品の感想文も書いています。 「推理小説・映画」の一覧ページ からご覧ください。

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最終更新日: 2023年01月07日(土) / カテゴリー: 推理小説・映画