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文庫本 十角館の殺人

綾辻 行人(あやつじ ゆきと)/著の推理小説『 十角館の殺人 』を読みました。

この本を読んだのは随分前です。少なくとも3回は読んでいます。

読もうと思った最初のきっかけは、綾辻行人さんの代表作品ということで手にとった記憶があります。

綾辻行人さんのことは、大昔に 『安楽椅子探偵』という懸賞金つき本格ミステリドラマ の原作者として知っていて関心がありました。

今入手できるのは新装改訂版になります。

作品のあらすじ

大学ミステリ研究会の7人が、孤島にある『十角館(じゅっかくかん)』という館で合宿をします。 そして、合宿の最中にメンバーが殺されます。生き残ったメンバーは、孤島には外部から侵入者が居ないことから、お互いに疑うようになり、やがて連続殺人事件の末にメンバー全員が死亡します。

いっぽう本土では元ミステリ研メンバー宛に届いた怪文書を巡って、謎解きがはじまります。怪文書を巡っては、十角館を設計した建築家・中村青司(なかむら せいじ)についての調査が行われます。

十角館も怪文書も建築家・中村青司が関与しており、ふたつの事件についての犯人探しが展開する本格ミステリーです。

感想

この本は、私が本格推理小説に興味をもつようになった1冊です。

それまでミステリーや探偵モノのお話は、シャーロック・ホームズや名探偵ポワロ、古畑任三郎、金田一少年の事件簿などテレビで観れるもので満足していたのが、この『十角館の殺人』をきっかけに色々な推理小説を買って読むようになりました。

『十角館の殺人』を読み終えたことで、 小説でしか味わえないトリックがある ことを知ったのです。

どんなトリックかはネタバレにつながるので触れませんが、 謎が解けたことの快感と、いままで見たことのないトリックに対する驚きが重なって、かなりの衝撃でした。

そうしたうれしい驚きや、すばらしい作品に出会った満足感を求めて、色々な本格ミステリー小説から、評判の良い警察小説など推理小説全般を読むようになったのです。

スポーツやコンサートをスタジアムで観た快感や、うまいものを食べてそれを何度も食べたくなったのと同じ感覚です。

物語のほうは、無人島と本土でふたつの話が並行して展開することも興味深い内容でした。 特に無人島で起きる連続殺人事件は最後に全員が死んで誰もいなくなるのがおもしろく、まさにアガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』のオマージュです。

登場人物は、ミステリ研究会のメンバーたちが有名な海外ミステリー作家の名前をニックネームにしており私にとっては覚えやすかったです。 ニックネームはカタカナ表記で、海外ミステリーを読んでいるような気分にもなりました。

人物が覚えやすいとストーリーもわかりやすいので、その点もこの作品の評価を高める要素になりました。

この『十角館の殺人』はミステリ好きには絶対に外せない、とても有名な作品です。「新本格ミステリ」というジャンルを作り出した金字塔です。

この小説を読んだことがなくても、多くのミステリ作品を読んでいるのなら、もしかしたら似たようなトリックに出会っているかもしれませんが、一度は読んで欲しいです。

記憶を無くしてからもう一度この作品を読みたいほど、私にとっては衝撃的な感動の作品でした。

おわりに

『十角館の殺人』は 読者が選んだおすすめ推理小説ランキング において、10人中7人がおすすめする第1位にランクインしている作品です。 わたしのなかでも第1位に入る作品です。

また 『The Decagon House Murders』というタイトルで英語版で出版 されたり、 コミックリメイク されるほど人気の高い作品です。

『十角館の殺人』は 綾辻行人さんの「館シリーズ」の第1作にあたります。 「館シリーズ」の他の作品一覧や概要は講談社の『綾辻行人の館』というサイトでご覧いただけます

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫) (ISBN: 978-4062758574)
満足度(最大星5つ)

本作以外のミステリー小説や映画・ドラマ作品の感想文も書いています。 「推理小説・映画」の一覧ページ からご覧ください。

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最終更新日: 2022年11月12日(土) / カテゴリー: 推理小説・映画