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理系ミステリーの名作アニメ『すべてがFになる』

『すべてがFになる』 というTVアニメ を観ました。同名推理小説の映像化作品で、全部で11話あります。1話は23分です。

原作の小説は読了していましたが、内容を忘れかけていたので U-NEXT で動画が配信されているのを見つけて視聴しました。

原作小説はミステリ好きの知人に推薦されて読みました。

作品のあらすじ

この物語は大学准教授の犀川創平(さいかわ そうへい)と同大学の学生である西之園萌絵(にしのその もえ)が主人公の物語です。

孤島の研究所で、隔離された生活を送る天才女性プログラマ・真賀田四季(まがた しき)に一目会いたいと、研究所を訪れた犀川と萌絵が殺人事件に遭遇します。

ウエディングドレスを着て両手両足を切断された死体が、誰も出入りできないはずの四季の部屋から現れる第1の密室殺人。 そして出入りした痕跡がないはずの屋上で四季の叔父が殺される第2の殺人に犀川と萌絵が挑みます。

リアルと少しだけファンタジーが混ざった理系ミステリです。

ファンタジー部分はあるものの推理要素は本格ミステリです。

(原作ではもうひとり殺されたような。。。)

感想

このアニメを見たのは原作を再読する代わりでしたので、小説と本アニメの違いを中心とした感想を書きます。

ひとつめは、原作に比べて犀川先生の哲学的なセリフが少ないなというのが初めの印象でした。原作では犀川先生の合理的で知性的なセリフが心に響いた思い出があります。 例えば

Time is money なんて言葉があるが、それは、時間を甘く見た言い方である。金よりも時間の方が何千倍も貴重だし、時間の価値は、つまり生命に限りなく等しいのである。

「時間の価値が生命に限りなく等しい」と天才的な観点で人類におけるミステリ(=時間)への概念を語ったり、 フランスの画家、ポール・ゴーギャンの作品名

我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか

を引用し、人が生涯のうちに1度は悩むであろう問いを立てているのが、この作品のカッコイイところです。

小説の犀川先生は萌絵に対して冷たく見える行動や発言が多いですが、時折見せる感情が人間らしさを醸し出していました。 アニメの犀川先生はタバコを吸ってばっかりで単なるヘビースモーカーの印象しかありません。

肝心の推理要素についてはアニメも原作も違いはなく、密室トリックは「なるほど」と思わず膝を打つものです。ただし、「○○(ネタバレ防止)」について素養が無いと、トリックの実現性がイメージしにくくて難しいという印象を持ちそうです。

殺人の動機は超人的で共感や理解は難しくヒューマン・ドラマの感動はありません。

ミステリーとしての論理展開の鮮やかさと犀川先生や萌絵の 考え方 を楽しむ作品だと思います。

コンピュータや数学、パズルといった論理的なものが好きな人は原作の小説を読むほうが絶対におもしろいと思います。

『Q.E.D証明終了』 という漫画を知っている人なら、その作風にピンとくるかもしれません。

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最終更新日: 2020年06月29日(月) / カテゴリー: 推理小説・映画