本ページには広告・プロモーションが含まれています。

講談社文庫 仮面山荘殺人事件

東野 圭吾(ひがしの けいご)氏の推理小説『 仮面山荘殺人事件 』を読みました。

この本を選んだのは、読者が選んだおすすめ推理小説ランキング で10人中3人の人がおすすめする作品にランクインしていたからです。

作品のあらすじ

この本は、 樫間 高之(かしま たかゆき)という男性が主人公の物語です。 高之は婚約者である森崎 朋美(もりさき ともみ)を結婚式の直前に亡くしています。

森崎家は毎年夏に別荘で過ごすのですが、朋美が亡くなったあとも山荘に集まることになって、その場に高之も誘われて参加します。

山荘には高之を含めて合計8人の男女が集まっています。 初日の夜に、朋美の死が交通事故によるものではなく誰かに殺されたのではないかという話が出てきますが、朋美の死について結論は出ないまま解散となります。

場面は変わり、皆が寝静まって明け方になろうとするとき、逃亡中の銀行強盗が山荘へ侵入します。強盗に捕らえられた8人は脱出を試みますがうまくいきません。 強盗から逃れる術を考えているうちに山荘内で女性が1人殺されてしまいます。状況から考えて犯人は銀行強盗ではなく、森崎家をはじめとする男女7人の誰かです。

殺人犯が明かされるとき、朋美の死の真相も明かされます。

感想

この小説は、強盗から逃れるための方法、山荘で起きた殺人事件の犯人、朋美の死の真相、の3つの謎を楽しめたのがとても良かったです。

とにかくテンポよく話が進みます。冗長に感じられる人物や情景の描写は無く、ひたすらストーリーに引き込まれてしまいました。

そして、物語の最後に推理小説ならではの大掛かりなトリックも見事でした。

初版は1995年で、この感想文を書いてるのが2022年。27年ものあいだ、本作のトリックについて出会ったことがなかった幸せ者です。 とある映画で物語の舞台は異なるけれど似たトリックがあったのを思い出したので、ミステリー好きの人なら知っているトリックの可能性もありますね。

著者の東野圭吾さんは読み応えのある社会派の作品も多いですが、本作は新本格ミステリーのトリックを楽しむ作品です。 強盗がいきなり山荘にやってきたり、ある物について一見するだけで区別できるのだろうかといった、よく考えると疑問に思う展開があります。 リアリティを求めず、何も考えずに読みすすめることをおすすめします。

おわりに

私の場合、推理モノでトリックや真相を知っていても楽しめる作品があります。 東野圭吾作品だと例えば『 容疑者Xの献身 』は犯行動機となる人物関係や謎解きにつながる細かい描写・伏線を味わうことができます。

いっぽうで仮面山荘殺人事件はめちゃくちゃ面白かったのですが、再読したいとは思わないタイプの作品でした。トリックを知ってしまうとすべてが台無しになったようで、一度混ざってしまったコーヒーとミルクが元通りに分離できないような感じです。

それでも、暇があれば 舞台化されて DVD にもなっている仮面山荘殺人事件 は観てみたいとは思っています。

仮面山荘殺人事件 (講談社文庫) (ISBN: 4061859668)
満足度(最大星5つ)

本作以外のミステリー小説や映画・ドラマ作品の感想文も書いています。 「推理小説・映画」の一覧ページ からご覧ください。

オススメ記事 観たい作品がありすぎる。推理・ミステリー映画を観るならU-NEXTがおすすめ


最終更新日: 2022年06月25日(土) / カテゴリー: 推理小説・映画